捻髪音 ( Fine crackle / crackles )
【解説】高い周波数(500〜1,000Hz)の断続性ラ音で、吸気によって細い気管支が再開通し弾ける音(crackle)を発生します。cracklesは小さく細かい音から、大きく粗い音まで様々で、病態によって異なります。音源の性格から吸気に聴取されることが多く、病変の進行度によって持続時間と音質が異なります。特に特発性間質性肺炎/肺線維症において、早期のすりガラス陰影では細かい捻髪音、進行した蜂窩肺(honeycomb lung)では、吸気の全相に大きい粗い捻髪音が聴かれます。閉塞した末梢気管支の再開通による音のため、深吸気で長く大きく聞かれますが、数回の深吸気で減弱する傾向があります。 [1]聴診部位:全肺野で聴かれるが、主に肺底部, [2]聴診音:吸気、ときに呼気, [3]長さ:長い, [4,5]-, [6]SSG:縦に長く縦の縞模様が規則的に数十個以上集合して出現, [7]表現:<パリパリ>,<バリバリ>,<ブツブツ>,<チリチリ>。
(注)健常人で聴かれる捻髪音は、聴診器の膜面と皮膚との不完全な密着、ときに高齢の健常人でも聴かれます。
