Lung Sound e-Learning System 目でみる肺聴診

ご挨拶

 聴診器は、非侵襲で小型軽量、低価格な診療器具なので、それを用いた肺聴診は、安全で簡便で誰もができる肺の診察方法です。肺疾患の中には、肺聴診でX線やCT検査より早く異常が発見できるものもあり、その時点で治療を開始すれば、入院せず投薬のみで治癒することもあるといわれています。しかし、肺聴診の習得には、多くのトレーニングが必要です。このソフトウェアでは、肺音がサウンドスペクトログラムとして表示され、視覚的に肺音の長さや大きさ、高さや音色までもが確認できるので、効率的な学習が可能です。
  肺音の中の異常音が判別できれば、正しい肺音名と肺音情報がカルテに記載できるようになり、医療スタッフ間の情報の共有がスムーズになるものと思われます。
  このソフトウェアが、聴診器の利用者の拡大と、疾患の早期発見に繋がることを期待しています。
  また、聴診音の収録と解析にご協力いただいた川崎医科大学呼吸器内科と長崎大学工学部情報システム工学科の皆様に厚く御礼申し上げます。
 
2019 年 12 月
川崎医科大学 免疫腫瘍学教室 特任教授 岡 三喜男
元 長崎大学大学院 生産科学研究科 宮原 末治